広告効果の測定方法と効果が出ないときに見直すべきポイント
目次
広告を出すのなら、費用に見合った効果を得たいものです。
しかし、広告の効果測定は簡単ではありません。
「本当に効果があったのかな…」と後から疑問に感じつつも、効果検証をできないままの方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、広告により発生する効果と、各広告の測定方法を紹介します。広告効果が出ないときに見直すべきポイントも解説しますので、ぜひご覧ください。
広告の効果とは?消費者の心を動かす3つの効果
広告を出すと、消費者(ユーザー)の心理にどのような影響を与えられるのでしょうか?広告の効果は、大まかに3種類にわけられます。
- 単純接触効果
- 心理効果
- 売上効果
広告は、上記のどれか、または複数の効果を期待して出稿されます。
単純接触効果:認知してもらう
単純接触効果とは、何度も目にするうちに、自然に対象に好感を持ってしまう効果です。ザイオンス効果とも呼ばれます。
見たことも聞いたこともない商品やサービスを、いきなり購入してくれるユーザーはいません。
広告を繰り返し出稿することで認知が広がれば、いざニーズが発生したときに購入検討のテーブルへ乗せてもらえます。
【単純接触効果が期待しやすい広告方法】
- テレビCM
- 純広告(バナー広告)
- 看板広告
看板広告についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。合わせてご覧ください。
関連記事:「看板広告7種類をまとめて紹介!看板の効果とメリット、設置時の注意点について」
心理効果:理解してもらう
心理効果とは、ユーザーに商品やサービスを理解してもらう効果です。
商品がどんな特徴を持っており、どこに魅力があるのかを知ってはじめて、ユーザーは「買ってみようかな」と考え始めます。
よって、広告の心理効果は“購入へのモチベーションを与える効果”とも言い換えられます。
ユーザーに興味を持って広告を見てもらう必要があるため、ユーザーと信頼関係のある媒体選びが重要です。
【心理効果が期待しやすい広告方法】
- インフルエンサー広告
- タイアップ広告
- イベントプロモーション
売上効果:行動してもらう
売上効果とは、購入や契約申込、資料請求といった売上につながる行動を促す効果です。
すべての広告の最終的な目的は売上アップです。
よって売上効果は、広告を出す上でもっとも期待される効果といえます。
【売上効果が期待しやすい広告方法】
- リスティング広告
- リターゲティング広告
- ポスティング広告(折込チラシ)
広告の効果は『比較』で考える
広告を出したら、どの程度の効果・影響があったのかを評価する必要があります。
そこでポイントになるのが『比較』です。
期間での比較 | 「売上」「来店者数」「SNS言及数」などを広告の前後で比較する |
競合との比較 | 競合他社の「売上」や「来店者数」などを調査。自社の変化と比較する |
例えば、広告を出稿した後からSNS上にポジディブな発言が増えたなら、認知拡大やイメージアップの効果があったと判断できます。
また、広告とは無関係の外部要因による影響を排除するため、競合との比較も大切です。
「広告を出したら売上が増えた!」と思っても、じつは全く別媒体で市場全体が注目されただけかもしれません。競合との比較を行っていれば、広告以外の要因による変動が把握できます。
いずれにせよ、広告を出す前から測定基準を決め、広告出稿前のデータをそろえておく必要があります。
広告方法の種類と効果測定の方法
「広告の測定基準を決める」といっても、効果測定は広告方法によって難易度が異なります。
効果測定の難易度には、おおよそ下記の傾向があります。
- ネットを介した広告は測定しやすく、オフラインの広告は測定が難しい
- 不特定多数(マス)に向けた広告ほど正確な測定は難しい
- 接触効果<心理効果<売上効果の順に測定の確度は上がる
例えば、雑誌に広告を出稿して商品の認知拡大を狙う場合、雑誌の発行部数で接触した読者の人数は推測できます。
しかし、本当に記憶に残ったのか知りたいならアンケート調査が必要ですし、正確な測定は難しいでしょう。
とはいえ、ほとんどの広告で何らかの効果測定は可能です。複数の測定指標を使用し、期間などで比較しつつ、広告の効果を相対的に評価しましょう。
ここからは広告を「マス広告」「Web広告」「ヒューマン広告」「セルフプロモーション広告」の4つに分類し、それぞれの広告で使用される効果測定の指標を紹介します。
なお、4分類の広告の特徴や含まれる広告の種類を知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
関連記事:「広告16種類を一挙紹介!各広告の特徴とメリット・デメリット」
4大マス広告
4大マス広告とは、次の4つのメディアを使用する広告方法の総称です。
- テレビ
- ラジオ
- 新聞
- 雑誌
以前よりも効果はやや薄れたものの、不特定多数へ向けた広告手法として大きな影響力があります。
テレビCM
テレビCMの効果測定では、視聴率を元にした指標が使用されます。
GRP (Gross Rating Point) |
放映時の1分ごとの視聴率の合算値 |
例えば、視聴率5%の時間帯で2回、8%の時間帯で1回CMを流したならGRPは5×2+8=18%です。
GRPに平均世帯数と平均世帯人数をかければ、おおよそ何人にCMを見てもらえたか推測できます。
なお視聴率には“世帯視聴率”と“個人視聴率”があります。
- 世帯視聴率:家族の誰かがテレビをつければ「1世帯が見た」とカウントする
- 個人視聴率:性別や年代によって視聴者を区別してカウントする
個人視聴率のほうが、より現実に即した数字といえるでしょう。
ラジオCM
ラジオCMは、リスナー層や放送エリアでターゲティングがしやすく、地域密着型の広告が得意といわれます。
ラジオの場合も「聴取率」という指標で何人の人にリーチできたかを推測します。
聴取率 | 対象エリア内でその時間帯にラジオを聞いた人の割合 |
雑誌や新聞広告
読者層によるターゲティングがしやすい紙媒体の広告では、発行部数を基準に考えます。
発行部数 | その媒体が印刷された冊数 |
発行された数が、そのまま広告を目にした人数というわけです。
アンケートやプレゼント企画で、実際にどれくらいの人の目に留まったのかを間接的に調べる効果測定も行われます。
また、費用対効果を調べるために以下の指標も使われます。
CPR (Cost Per Response) |
広告にかけたコストを読者の反応数(問い合わせなど)で割った数値 |
CPO (Cost per Order) |
広告にかけたコストを受注数で割った数値。意味はほぼCPRと同じ |
100万円の広告費をかけて、申込みが1,000件あったなら、CRPは1,000円です。
ネット広告(Web広告)
ネット広告の種類は多種多様ですが、いずれも次の3つの指標が主に使用されます。
Imp (Impression) |
「ページビュー(PV)×広告掲載数」の値。ユーザーに広告が届いた数を表す |
CTR (Click Through Rate) |
「広告のクリック回数÷広告の表示回数」の%値。クリック率 |
CVR (Conversion Rate) |
「コンバージョン数÷クリック数」の%値。コンバージョン率 |
CTRは「広告を見たユーザーのうち、何%の人が広告をクリックしたか」を、CVRは「広告をクリックしたユーザーのうち、何%の人が購入や申込みといった行動(コンバージョン)をしたか」を表します。
売上に直結する指標であるCVRが最も重視される傾向にありますが、CVRが高くてもImpやCTRが低ければ効果は限定的です。
よって、3つすべてを使って広告の反応をみるべきといえます。
また、他に以下の指標も使われます。
CPC (Cost Per Click) |
「広告出稿にかかった費用÷クリック数」。1クリックに費やしたコストを表す |
CPA (Cost Per Action) |
「広告出稿にかかった費用÷コンバージョン数」。行動(コンバージョン)1件あたりの広告単価を表す |
CPCやCPAが低いほど広告運用の効率がよいことを示します。
費用対効果を見るという意味では、前述した紙媒体のCPRなどと同じと考えてよいでしょう。
ヒューマン広告(インフルエンサー広告)
インフルエンサーを起用するヒューマン広告は、即効性が高く、効果が見えやすい広告です。
基本的にはネット広告と同じ指標が使われますが、SNSが主な媒体となるため「エンゲージメント率」も重視されます。
エンゲージメント率 | 「リアクションしたユーザー数÷投稿を見たユーザー数」。投稿を見た人のうち何%の人が反応したかを表す |
ここでのリアクションとは、コメントや「いいね!」、保存やブックマーク、シェアなどです。
SNSによってリアクションの定義は異なりますが、いずれもエンゲージメント率が高いほど広告の反響が大きいと判断できます。
セールスプロモーション広告
セールスプロモーション広告とは、看板広告や駅広告、折込チラシといったアナログ手法を使ったPR方法です。
ネットのように簡単に測定ツールを置けるわけではないため、効果測定が難しい広告方法といえます。
間接的な測定方法になりますが、例えば以下のような指標が使えるでしょう。
通行量 | その道を徒歩で通過する人の人数 |
交通量 | その道を通過する車の数 |
上記の量が多いほど、広告を見る人も多くなります。
とはいえ、通行量が多いから来店者も増える…とはならないのが広告の難しいところ。
より直接的な影響を見るなら、以下のような指標が考えられます。
顧客アンケート | 「何で当店をお知りになりましたか」といったアンケート調査 |
クーポン利用率 | クーポンの利用数÷クーポン発行数。クーポンの利用率で広告に対する反応を測る |
来店者数の増加率 | 「広告出稿後の来店者数÷広告出稿前の来店者数」 |
顧客アンケートは、美容室であれば初回利用時に、飲食店であれば待ち時間に回答してもらえるように用紙を配布するケースが多いでしょう。
またクーポンは、折込チラシに付けたり、広告に二次元バーコードを記載したりといった配布方法が考えられます。
広告効果がないときは?見直すべきポイント
効果測定をした結果、「広告の効果が見えない」「期待したような反響がない」となった場合は、広告の軌道修正が必要です。
見直すべきポイントは4つあります。
- 測定は正しくできているか?
- 目的にあった広告媒体を選べているか?
- ターゲット層に届いているか?
- 魅力的な広告になっているか?
測定は正しくできているか?
「効果が見えない」と感じたときは、そもそも効果測定がきちんとできているか疑ってみましょう。
なぜなら、広告効果の現れ方が直線的とは限らないためです。
例えば、次のようなケースです。
- YouTubeの動画広告で見かけた商品を、スマートフォンで再検索した
- 看板で気になっていたお店の情報を知人から詳しく聞いて、予約した
1番目のケースでは、動画広告のクリック率は増えず、Webサイトのアクセス数が増えるはずです。
また2番目のケースでは、来店者アンケートに「知人の紹介」と回答されるかもしれません。しかし、元を辿れば看板広告による認知拡大効果が大きく寄与しています。
ここで「広告の効果はなかった」と判断して広告を取り下げてしまうと、巡り巡って売上全体が落ちてしまうかもしれません。
- 広告効果の指標は複数の視点でみる
- 実際の問い合わせ数や売上の変化と合わせて見る
「もしかして、ちゃんと測定できていないのかも」と疑って一度見てみると、意外な見落としに気づくかもしれません。
目的にあった広告方法を選べているか?
広告の目的と方法が合致しているかも大切な見直しポイントです。
認知拡大から売上アップまで、すべてを得意とする広告方法はありません。
例えば、次のようなケースでは狙った効果を得られない可能性があるでしょう。
- 売上をアップさせたいので、純広告(バナー)を出したが、効果はいまいちだった
- 近隣の人に来店して欲しいので、エリアを限定したSNS広告を出したが、あまりクリックしてもらえなかった
純広告は認知拡大に強い広告手法です。購入意欲の高い層へ向けた広告を打つならリスティング広告のほうが適しています。
また、来店のような直接の行動を促したい場合は、SNS広告よりもチラシによるクーポン配布などのほうが効果的かもしれません。
「広告を出そう!」と思っても、目的が不明瞭だったり、なんとなくで広告方法を選んでしまうと、対費用効果が低くなってしまいます。
それぞれの広告の特徴を把握した上で、予算と合わせて選択しましょう。
ターゲット層に届いているか?
ターゲット層から外れたところに広告を出しても、効果は限定的です。
「どんなユーザーに広告をみてほしいか」というターゲティングをした上で、その層が支持している媒体を選ぶことが重要です。
たとえば「10代〜20代の男性向けコスメを紹介して欲しいので、女性向けのメイク方法を発信しているインフルエンサーに依頼したが、売上には大きく寄与しなかった」と言ったケースを考えてみましょう。
インフルエンサーによって訴求できるターゲット層が異なるため、上記のケースでは「若い男性からの支持されている、ファッションや美容系のインフルエンサーにお願いすべきだった」といえます。
これは看板広告のような街頭広告も同じです。塾の看板なら子育て世代の多いエリアや学校近辺、居酒屋なら繁華街が適しています。
ターゲット層に“届く”ところに出稿すれば、広告の費用対効果も上げられます。
魅力的な広告になっているか?
前述してきた3つに問題がない場合、キャッチコピーや画像などの広告内容を見直します。
“見直し”というと大幅に変更をしたくなりますが、じつは同じ内容の広告であっても、デザインを少し変えただけで反響に違いが出ます。
- ロゴを目立たせたSNS広告で反応がなく、人気商品の画像を大きく出したらクリックされるようになった
- チラシに付けたクーポンを目立つ色に変えたら、新規の来店が増えた
広告の変更前後で効果測定を行っていれば、ターゲット層から見てどのような広告が魅力的に映るのか、次第にノウハウが蓄積されていくはずです。
即効で認知拡大を狙うならアドトラックがおすすめ!
広告は、目的によって適する広告方法が異なります。まずは目的に沿った媒体選択が大切です。
また広告は1度出して終わりではなく、継続して運用していくものでもあります。事業規模によっては複数の広告を使い分けることもあるでしょう。
広告の企画段階で効果測定の基準まで考えておけば、効果的な広告活動ができます。
もし特定エリアで即効性のあるPRをお考えなら、ぜひアドトラックをご検討ください。
巨大なLEDビジョンを搭載したトラックで、街行く人々へインパクトのある告知が可能です。
- 動画でインパクトの大きい広告を打てる
- データさえあれば即日運行が可能
- 一日限定のPRもできる
集客や認知拡大を目的に、これまでさまざまな企業様に導入いただいています。
アドトラック導入までの流れは以下のとおりです。
- 打ち合わせ
- 見積書の提出
- 運行時間やルートの決定
- 広告素材の入稿
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